「地雷を踏まないサバイバル英語」シリーズでは、日本人がよかれと思って使った英語が、実は相手に強く聞こえたり、失礼に受け取られてしまう表現を紹介しています。
英語での人間関係トラブルを避けながら、自然なコミュニケーションができると、英語学習はより楽しくなりますよね。
今回ご紹介する英語表現は、
I want you to do this.
という表現です。
日本語の感覚では、「これをやってほしい」というお願いのつもりで使う人も多いですが、英語では want you to~ はかなり強い言い方 になります。
場合によっては、「命令」や「上から目線」に聞こえてしまうことがあります。
なぜ “I want you to~” は強く聞こえるのか?
want は「欲しい」という意味ですが、
英語では 相手に対する欲求を直接ぶつける表現 になります。
たとえば、同僚や目上の人に対して、
I want you to do this.
と言うと、
「あなたはこれをやるべきだ」
「私はあなたにそれをさせたい」
というニュアンスに近くなります。
対等な関係では少し圧がある。
上下関係が曖昧な場面では、特に強く響きます。
映画『サウンド・オブ・ミュージック』の印象的な場面
このニュアンスの違いがよく分かる映画のシーンがあります。
ジュリー・アンドリュース主演の映画
『サウンド・オブ・ミュージック』 の終盤。
婚約者とともに帰宅したトラップ大佐は、子ども達がいつもの規律正しさを離れて、
楽しそう遊んでいるのを見て、子どもたちの家庭教師マリアに対して感情的になります。
彼は強い口調でマリアを解雇しようとします。
その後、子どもたちが美しい歌声で合唱している姿を見て、
大佐は次第に心を動かされ、合唱に加わります。
そして、マリアに謝罪し、こう言い直します。
I want you to stay.
…I ask you to stay.
このトラップ大佐の言い直しがとても象徴的です。
“I want you to stay.” は
感情的で、自分の気持ちをぶつける言い方。
でも、
“I ask you to stay.” と言い換えることで、
相手の意思を尊重する表現 に変わります。
命令ではなく、依頼になる。
ここに英語の距離感があります。
want より丁寧な言い方
want を使わずに、同じ内容をやわらかく伝える方法があります。
たとえば、
I’d like you to do this.
(これをしてもらえると嬉しいです)
want より丁寧で、依頼として使える表現です。
さらに安全なのは、次のような表現です。
- Could you do this?(これをしてもらえますか?)
- Would you mind doing this?(これをしていただけますか?)
これらは相手に選択の余地を与える言い方なので、命令っぽさがありません。
ニュアンスの強さの違い
- I want you to do this.(かなり強い)
- I’d like you to do this.(やや柔らかい)
- Could you do this?(丁寧)
- Would you mind doing this?(より丁寧)
英語では、
「お願い」か「指示」かの線引きがはっきりしています。
日本語の「~してほしい」は便利ですが、
英語ではそのまま訳すと強くなりやすい。
地雷を踏まないために
want you to~ は、
親しい関係や親子関係などでは自然に使われます。
でも、職場や対等な関係では、
無意識に上下関係を作ってしまうことがあります。
英語では、
正しさより距離感。
相手との関係や場面に応じて、
より丁寧で自然な言い換え表現を選ぶことで、
無用な誤解や人間関係のトラブルを避けることができます。
本ブログでは、日本人が使いがちな英語の“地雷表現”と、その代わりに使える自然で無難な言い方を紹介しています。
※本記事は語学学習を目的とした英語表現の解説です。特定の状況における法的助言や具体的な対応を推奨するものではありません。実際の対応は各国の法令および専門家の判断に従ってください。

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